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工芸センターの集中講座 [工房風景]


会場の伊丹市立工芸センターは海外でもTHE MUSEUM ART&CRAFT ITAMIと、作家達に有名なミュージアム。そこの広い制作室です。おまけに当日は、インターナショナルクラフトコンクールの作品が展示中でした。

学生時代の恩師や先輩のおかげで、ここで、スペインタイル陶芸講座を持たせて頂いて、5年目?6年目?になりました。
今年は、POCOAPOCO初の試みの10:30-16:30と、長時間な集中講座。
一日完結(一日で1作品仕上げ)。全3回。
初日だったので、講義(ビデオとスライド)
内容は、去年、九州博物館に2日間籠ってのイラン陶芸の発見と、千里の民族博物館の解説と、鹿児島のペルー展と、福岡のエジプト展とスペインのタイルを検証したpocoの新境地。

制作は、下絵、型紙つくり、作画(絵付けという言葉ではおさまらない!)。
現地校並みのプログラムを行ってみました。
途中でスペイン語会話まで入ってしまって、やっぱり何かが起こるミュージアム講座です。
来週は、「スペイン語でスペインタイル講座」の予定(受講予定者がスペイン語オンリー日本語の通じないお料理の先生。さて、どこまで通じるか?)ですので、しどろもどろの「スペイン語でスペインタイル講座」のpocoの様子もお楽しみに〜

受講者が参考に選ばれたデザインは、ファイアンス(西洋では磁器の意味)の名の元になったファエンツア(イタリア/トスカーナ焼き)のメディチ家より。
 その、図案「案」の説明は、歴史をさかのぼって、どういう経路でスペインの陶芸が発展したか、また、なぜ、スペインタイルが陶芸なのか。。と、話は地中海を飛びました。こういった流れになったのは受講者のみなさんの雰囲気のおかげ、工芸センターの制作工房が広くてバレンシアの学校(artes y oficios)の雰囲気を思い出した。(もちろん日本方がキレイです)周りの美術館の雰囲気も、アートの街という点では、とってもバルセロナだし、(こちらは、純和風で文化財の街並み。宮ノ前文化郷といいます。)で、気分はのりのりで。マンゾクです。

長時間の講座でどうなんだろう?と思っていましたが、私は、ずっとしゃべり続けていたような気がします。みんな途中から自由に描きはじめ、、、気がつけば、「コバルトブルーとトルコブルー使いのセビリアタイル」のはずが、いろんな色いっぱいの地中海オリジナルタイルの制作に!気がつくと、あっという間の一日でした。

工房でも、「授業」というパターンは何度か行いましたが、なかなか同じ時間にスタートとはいかず、今回のような流れは、まさに、スペインの美術学校そのものでした。
もちろん、ここは日本ですから、ちゃんと「図案」はご用意致しましたよ!(ちなみに、スペインの学校では、「図案」を用意なんて事は、古典のよく知っている図案以外は、ありません。もちろん、集中して制作することもありますが、ほとんどはカフェで過ごしたり、クラスメイトと海にお弁当を持って行ったりというのが普通。スペインでは、街なかのカフェでぼんやり過ごす方が、教室内で制作するよりずっとず〜〜と勉強になるのですから!)
と、、今回の講座も、しっかりと3時にお茶タイムを入れてもらいました。
 さらに、伊丹でスペイン語圏の方と二人も会った。なんという偶然。。
ランチで行ったクロスロードカフェでは、横に座っていたのがスペインの方だった。スペイン語とフランス語が母国語らしい。私はてっきり英語かと思い、「失礼」って言葉の英語が出てこず、「パードン」はちゃう、「ペルドン」はもっとちゃうなあ。。と、悩める小羊でしたが、、、なんだあ〜いいんやん!!でした。次回も会えるといいな。

さて、次回の宣伝。
9月23日(日) 3: 10月7日(日)
【時間】10:30-16:30 昼食は各自ご用意ください。
   (近くにレストランやカフェもたくさんあります)
   午前10:30-13:00 午後14:00-16:30 
【場所】伊丹市立工芸センタ-)
【受講料】 終日3,000 (午前のみまたは、午後のみの方は2,000)
【材料費】 横長2,000または、大3,000
お申し込みは,伊丹市立工芸センターTEL.072-772-5557

初心、初級の方へは、クエルダセカ el solタイルを推奨
ちょこっと、次回案をのせました。近畿圏の方は、JRで!是非ご参加下さい。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/SpainTilePocopo/
尚、初心者で、「スペインタイル表札」をご希望の方は、お申し込み時にお伝え下さい。
今回のマジョリカ焼きも出来るように、材料は揃えておきます。



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risu

コメントを頂きありがとうございます。
タイルも創られてきた歴史が長く、
生活や文化の彩りには欠かせないものですが、
近年は、
だんだんとその豊かさもどこかにいってしまいそうな、
感を強めるこの頃です。
仕事柄、解体現場で昔のいろんな造作に触れると、
私たちが、
豊かさに向かっているのかどうか考えさせることしばしばです。
「モザイクに昭和」
http://blog.so-net.ne.jp/takagakigumi/2007-08-31-42
by risu (2007-09-10 09:18) 

pocoApoco

京都の「さらさ」行かれましたか?
あのタイル、クエンカ方式といって、日本に初めて入ったタイル技法。スペインの古典ですが(アラブの国の)、日本に入ったのはイギリスの産業革命後のタイルで、日本の陶器をの「味」を初めてヨーロッパに紹介したのもイギリス。スリップワークの時代なので、温度は違いますが、日本の織部や黄瀬戸などの影響を受けたイギリス産のタイルが日本に入ったというのも興味深いです。
「さらさ」のタイルのかけた部分は、INAXの常滑研究所が復刻した日本窯業界の技です。
pocoの工房でも、最近同じような19世紀の釉を練習しています〜
 メンバーの皆さんへ。初心者だめよ〜って言っているあの流れる釉が「それ」です♡
復刻はpocoでは出来ませんが(可能だけれど一枚を仕上げるのに何年もかかるよ。)INAXの常滑の工房では数時間で制作させてくれるスグレモノ教室がありますよ♡
by pocoApoco (2007-09-12 01:02) 

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