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マットのクエルダセカ [名画タイル・組タイル]


作品例写真がありました!Mieさんの作品です。アールヌーボー。ガレだったかな?、、の、トンボを描きたいということで、バックをそのトンボが際立つようにクエルダセカ用のデザインにしてみました。
大きいタイルを使用して、額を入れたら70X50cmぐらいだったかしら。この生地はイタリアサイズ。焼成時に割れやすいため、2度焼きは出来ず、3年目以降(トレセロクラス以上)でしか制作していません。ので、15画で置き換えて制作します。 組絵タイルでも、この作品は、広い面積にマット釉を掛けるためガラス釉とは違った技が必要です。
この作品のために開発した釉が今では定番になっているサーモン17番です。
先のガラス釉との違いがわかります。

ラインはオレアリーバ。しっかり入っていますが、コツはとある筆(工房の定番のアレ=日本の小学生図画用です)と、顔料の使い分けです。この作品には、清水焼(京都、五条坂)で売られている京焼き作家用の「炭」を使っています。
さて、そのライン、pocoの作品にもこだわりのネグロですが、ちょっと危うい感じのラインが正解です。もちろん職人希望の受講者には、さまざまなラインを出す技法を訓練してもらっていますが、ほとんど出来ません。なぜなら、出来ないようなラインが良いからなんです!(わかりにくくてごめんなさい)。はっきりくっきりのラインはスペインではシルクスクリーンを使っているので、価格も安い「商品用」のタイルやお皿なの。ところが、博物館クラスの作品は、スペインでもポルトガルでもpocoApocoのメンバーのような危なっかしいライン。良い日本語を使うと「味のあるライン」です。 同じ顔料を使うマジョリカのソブレクビエルタでも同じ事が言えます。
どのくらいの値打ちの違いかというと、ソブレクビエルタの場合、現地販売価格で、キレイなラインの味の無いタイルは15ユーロ。同じ図柄でも味のあるラインだと美術館ショップで150ユーロ!どうですか?この違い。
日本のツアーだとスペイン各地にある陶芸美術館やロマネスク博物館には時間の都合で行かないようなので、個人ツアーや個人ガイドを雇われての優雅なご旅行では是非訪れて下さいね! そして折角だから、その違いを見てきて下さい。 
というわけで、pocoApocoのメンバー作品のラインが上質なのはこだわりのネグロ入れによるものです。pocoもよく混乱していますが、工房には各産地の9種類ほどのネグロが揃っています。各自でやってみて下さいね。ちなみにpocoご愛用はバルセロナのマジョリカ用マンガンネグロッサ。(みんなが使っているものと同じです)


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